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サポーターもフェアプレー
10月23日、横浜・ニッパツ三ツ沢球技場。J2横浜FCのカズこと三浦知良が愛媛FC戦で今季初ゴールを決めた試合の直前、ピッチ中央に両チームのサポーターが並び、代表して子供たちが「同じサッカーを愛する仲間として、フェアプレーの精神を胸に、この試合に臨むことを誓います」と宣誓文を読み上げた。対戦するサポーター同士による宣誓は、あまり例を見ない取り組みだ。
主導したのは、今季から横浜FCのオフィシャルクラブスポンサーとなった多摩大学の学生たち。今春から企画してきた取り組みの一つで、試合会場に足を運んで、サポーターに協力を要請した。愛媛側にはクラブを通じて参加を呼び掛けた。
フェアプレーに関する本を読み、フェアプレーの定義付けから始めたという同大経営情報学部の加藤圭介さん(19)は「ライバル同士なので実現できるか難しかったが、人対人は尊重できるはず、と考えた」と振り返る。
今年はサポーターがらみのトラブルが続発した。5月の浦和-ガ大阪戦では、ガンバサポーターが水風船を浦和側に投げ込んだことを端緒に、両者が応援旗の棒の部分やペットボトルを投げ合うなど混乱。警察庁が初めて、サポーターの警備に関してJリーグに再発防止を図るよう文書で要請する事態に発展した。9月の柏-鹿島戦では、鹿島サポーターがプレー中の柏の選手を応援旗でたたく事件も起きた。
これを受け、クラブ側は対応策を強化。浦和は両軍サポーター間の緩衝地帯を広げ、ガ大阪は問題を起こしたサポーターを永久入場禁止にした。鹿島は客席最前列での旗の使用を禁止し、社長らがサポーターと直接、この問題を話し合った。柏もサポーターの入場口を分けるなどした。
「サポーターも、みんなが試合のプレーヤーだという意識を持たなくてはいけない。相手を尊重する気持ちが欠けてはいけない」と加藤さん。その意識が広がることを信じている。
毎日新聞
マナーの悪いサポーターは試合を盛り下げる
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